むかしむかし、イギリスに侵略を受けていた、貧しい首長国がありました。

むかしむかし、イギリスに侵略を受けていた、貧しい首長国がありました。
この国はちょうど今から80年前、ある賭けに転じました。

財政難の打開策として、石油の試掘を開始しました。その発見にともない、一躍アラビアで注目度ナンバーワンの国のひとつになりました。

そして、あっという間に世界有数のリゾート地となり、今なお観光資源の開発に力を注いでいる、ほんの数十年前までは小さな村だった、そんなアラブ首長国連邦(UAE:United Arab Emirates)🇦🇪

首都のアブダビと、比べて発展度合いは2歩も3歩もリードしているドバイを訪れた。

4泊6日の旅。

iPhone ヘルスケアいわく、合わせて113,390歩。67.5kmも歩いた旅になった。

UAEの民族構成の2割は現地人であるが、残りの8割はその他の国の人で占めている。

現在は有限である石油資源からの脱却を図るために観光事業とその多様化に力を入れている。

今回、訪れた各地の見所は、
・828mと世界一の超高層ビル 総工費 1600億円のブルジュハリファ


・ドバイの1200店舗以上が集まる世界最大のショッピングモール

・総工費 5000億円宮殿の名に相応わしい7つ星エミレーツパレスホテル


・公園に突如現れる高さ150mのフレームをモチーフとした


・ナスカの地上絵のようなリゾート人口島パームジュメイラ

などなどと、他にも想像を超える建物や埋立地。どこもかしこも、工事!工事!工事!

ホテルやら、商業施設やら、世界一の◯◯やら、をつくり倒している。

「こんなに需要あるの?」
「20年後は大丈夫なの?」

といった疑問を思い浮かべない人はいないであろうぐらい、観光資源建設ラッシュである。

ある意味、バランスをとろうとせず、「先のことなんて知ったこっちゃねぇ!」と今の限界に突き進んでいるようなこの国に力強さを感じた。

そんな街の中心から車で1時間も走れば、街の喧騒とは無縁の、美しい砂漠の風景の中にいる。

Dubai dessert safari

初めて見た、砂漠

「すごい!」

まさに“幻想的”という言葉はこのためにあるのだと思った。

見渡す限り、あたり一面が砂と砂丘しかない。

本当に地平線の奥まで、目に見える全てが砂と砂丘だけしかないのだ。

非日常というか異世界。

その景色の中にいる自分にも酔いしれる。

月並みだが、人間や自分自身の小ささを感じてしまう。

風が舞うと砂も舞う。砂は風には抗わない。その砂に意思はない。
人間の意思で踏み込んだ足を、靴が見えなくなるほど深く、包みこむように飲み込んでいく。

その無限と言える砂の量と無知さに、小さな恐怖すら覚えた。

自然こそが最強であり、この無限の前では無力だと、脳より身体が悟る。

産業革命以降、人間の創造した発展・成長の資本主義を象徴する、 “世界一” にこだわるエキゾチックな近未来都市。

そのすぐ背中合わせに存在している、私たちには万に一つも勝ち目のない “無抵抗” で美しい、壮大な自然を代表する砂だけの世界。

そんな、大きなシーソーに乗ったようなギャップがおもしろいドバイ🇦🇪

そして、都市における需要と供給のシーソーゲームはどこまでバランスを保ち、その先がどうなっていくのかが楽しみな国である。

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